営業がAI時代に備えて知っておくべきこと【共存か撤退か】

2020年は第三次AIブームまっただ中です。2030年にはAIは次のフェーズに入るといわれています。

営業の仕事はAIの影響をどのように受けるのでしょうか?世間では、AIが人間の仕事を代替するなんて騒がれていますよね。

英国オックスフォード大学の研究では、米国の仕事の47%が10〜20年以内に機械に代替されるという衝撃的な結果もあります。

2030年のAI時代に向けて、知っておくべき知識を営業の観点でまとめてみました。


営業の仕事がAIの登場でどう変わるか?

営業の仕事にAIが取り入れられるといっても、ロボットが営業をしてくれるわけではありません。

営業現場へのAI導入でイメージしやすいのは、営業支援ツールの活用です。営業支援ツールをイメージしつつ、AIが営業に与える影響を考えてみましょう。


営業にもたらされるメリット

属人化が解消される

営業の現場では個人の感覚頼みになているケースが少なくありません。

AIが登場すると、入力作業の自動化、デジタル化が進み情報共有が進みます。

AIを活用した営業支援ツール導入は、営業のDX化として案件が増加しています。

情報共有がスムーズに行われるようになると、個人に属人化していた営業組織がなくなっていきます。

個人からチームで成果を求める組織に変わっていくことで、マネジメントも楽になります。また、個人で抱えていた情報がいい意味でも、悪い意味でも透明化されます。

良い事例があれば会社で横展開が可能になりますし、悪い事例であってもチームの知恵で向き合う文化が育ちます。

AI時代の営業では、情報共有が進んだ結果として、営業活動の品質アップ、生産性の向上が実現されます。


アクションプランをAIが提案してくれる

AIが得意とする分野の一つに分析があります。

営業支援ツールに情報を蓄積していくと、多くの情報をAIが分析しアクションプランを提案してくれます。

例えば、営業でクロージングが近い段階のお客さんをグループ化してくれたり、業種が近いお客さんをグルーピングして販売戦略を横展開する提案が可能になります。

人間が時間を要してエクセルで行っていた分析の工数が大幅に少なくなります。

また、人間の個人的な恣意性を拝受した、データにもとづく戦略が立てられるようになります。

分析の中には、AIに正解を覚えさせて分析させる「教師あり学習」と、AIに自ら法則性を見つけ出させる「教師なし学習」など種類があります。

AIに覚えさせるべき正解を、言語化して説明できる営業であれば、AI時代に活躍できる人材になれるでしょう。


事務作業が減少する

AIの得意分野の2つ目は事務作業です。

営業活動の結果を情報共有するために、システムへのインプットは欠かせない作業になります。

AIの特定分野のテクノロジーを活用すれば、インプットという事務作業を減らせます。

入力画面のユーザーインターフェイスは年々改良が進んでいますが、AIという観点でみると入力補助や音声認識の技術革新がアツいです。

営業支援ツールと連携させることで、定性的な情報を入力不要で連携させたり、音声情報を自動で文字起こしして入力が不要になるといったサービスが登場しています。

システムに二重登録をしなければいけないような場面は、10年後には見かけなくなるかもしれません。

スマホで行った営業電話の情報が、自動的にシステムに登録されるような時代が、すぐそこまできています、


営業職へのデメリット

次に、AI時代の営業にとってデメリットとなることをあえて挙げてみたいと思います。


成果の測定が難しくなる

仕事の中でAIの関与が多くなることは、人間の仕事が減ることを意味します。

昭和、平成という時代を生きてきた世代にとっては、やりがいを奪われると感じることがあるかもしれません。

代表的なデメリットとしていわれているのが、個人の成果測定が難しくなるという点です。

AIの登場で、情報共有が進むと営業の品質が上がるとともに同質化していきます。

個人の評価にも差がつきにくくなるために、モチベーションの低下が懸念されています。

管理職の方であれば、AI時代の営業の成果指標については考えておきたいところです。


独自性を持った営業が減る

AIの登場によって、提案の品質が向上する一方で独自性が薄れるという懸念があります。

こうした懸念を持っている人は、これまでの独自性が何だったのか一度考えてみることをおすすめします。

営業が属人化していた時代では、成果の根拠が本人の実力か、環境に恵まれたものか判別が難しい面がありました。

情報共有が進むと、独自性の価値は適正に評価されるようになります。

独自性が高いと思っていても、実は他の人もやっていたケースがあるでしょう。

また、独自性が高く、かつ再現性があれば横展開をすることで、高い評価を受けることができるでしょう。

情報共有が進むと、営業の標準化が進むのでどこで差別化を生むかについて、会社単位での戦略が重要になってきます。


AI時代の営業 BEFORE/AFTER

AI時代の営業には、考え方を改める必要があります。

大きな時代の流れのため、時代の流れに乗るのが賢い選択といえます。

【AI時代のBEFORE営業】

・コミュニケーションは訪問メイン
・個人対個人のやりとり
・アウトサイドセールスがメイン
・勘、経験にもとづく営業

【AI時代のAFTER営業】
・コミュニケーションはオンラインメイン
・会社対会社のやりとり
・インサイドセールスが増加
・数値、データにもとづく営業

個人から会社単位へ、アウトサイドセールスからインサイドセールスへ、勘から数値営業へ。

大きな流れを生かして、キャリアを築く必要がありそうです。


AIを活用した営業の事例

製品ごとの活用事例

・既存顧客の営業スケジュール管理

分析が得意なAIが、所在地や業種、前回の訪問日、営業担当の空きスケジュールなどの情報から、スケジュール提案を行うことが可能です。

法人営業の担当者で、定期的な訪問によって受注を獲得するケースでは大きく生きてきそうです。

・オススメ商品の提案

過去の販売実績をもとに、顧客に対して有効性の高い商品を提案することが可能です。

エンドユーザー向けの営業であれば、顧客の属性について情報を多く持つことでより有効な提案になります。

ヒト、モノ、カネに次いで情報が第4の資産ということは頭に置いておきたいですね。

・名刺のスキャンアプリ

画像認識の技術が向上したことで、名刺のデータ化はとても楽になりました。

これまで名刺フォルダで紙で保管していたものが、データ化されたことで検索性の向上を実現しました。

・音声認識による顧客情報の収集

音声認識AIの技術も日々進んでおり、顧客との会話を自動でテキスト化、顧客管理システムに自動登録するシステムも登場しています。(AI搭載型クラウドIP電話)


業界別の活用例

・ソフトウエア販売

ソフトウエア販売の営業では、顧客と要件のすり合わせをする機会が多いです。

また、こんなことを実現したいというお客さんの要望は大きなビジネスチャンスになります。

AI搭載型クラウドIP電話を使うと、お客さんとの会話を自動で分析し、要点をテキスト化します。

顧客管理システムにも自動登録されるので、お客さんの課題を社内で共有できます。

また、営業部門だけでなく開発部門に閲覧権限を与えると、お客さんの声が生で開発に届きます。

こうした仕組みづくりを通じて、お客さんのニーズに応える営業像が今後のスタンダードになるかもしれません。

・アパレル業界

アパレル業界でも、AIを営業が生かすことができます。

多品種小ロットでの販売が多いアパレル業界ですが、販売データを蓄積することで営業の質が上がります。

ユーザーごとの購買傾向を分析することで、見込み客に対して商品をすすめることができます。

また、過去データ、季節変動などの要因を分析することで、在庫の最適化しキャッシュフローの最大化を行えます。

こうした戦略を実施するために、エクセルで行っていた作業そのものが、AIによって自動化されるメリットもあります。

 

営業の仕事はなくなるから転職すべき?

営業とAIの将来を考えると、転職という選択肢が浮かぶ人もいるかもしれません。


必ずしも転職の必要はない

営業の仕事の本質は変わりません。

お客さんの課題解決に向き合い、時代の変化に柔軟に対応できれば転職の必要はないと思います。

ただ、方法論が変化しいていくことは覚悟しておかないといけません。

課題解決の方法が訪問してお客さんのニーズを聞くのか、データ分析で課題解決するのか、変わっていきます。

AI時代の営業方法について、イメージできるようであれば時代に合わせたスキルを磨いていけばいいと思います。

具体的にはITスキルを磨き、データと向き合っていかなければなりません。

営業の仕事よりも、マーケティングの仕事にシフトするつもりで仕事をすることをおすすめします。

「ITツールは自分の部下である」と自信を持って言えるとよいですね。


AIを生かしたいなら転職もおすすめ

AI時代に強い営業になるために、環境選びは大切です。

新しい方法論を学べない環境では、成長も望めません。

転職を希望する場合のおすすめは、インサイドセールスの部門がある会社、デジタルマーケティングに力を入れている会社です。

これまでの営業の経験を生かしながら、新しい方法論を実践することができます。


AIの特性を理解し上手に利用しよう

営業職であってもAIの影響は少なからず受けます。

2030年にAIと共存できる営業であるために、10年後を見すえた戦略を持っておきたいですね。