【分析】反論を攻略する営業テクニック応酬話法/Yes But話法など7種 体系的に分析してみた

反論を攻略する営業テクニックがどういった商材に合うか分析されている記事がなかったので分析(定性)しました。分析によって、各シーン、商材、顧客との情報の非対称性によって、向き不向きがあるなということが見えてきました。

※分析は、取り急ぎゆるめにザッと仕上げたので突っ込み所満載かと思いますが、都度ブラッシュアップしていきます。


目次

  • はじめに
  • マトリックスの簡単な説明
  • 2つの話法グループ
  • 言いくるめ系切り返し
  • 質問系切り返し
  • 各応酬話法の詳細
  • 1-1. yes but話法(イエスバット話法
  • 1-2. yes and 話法(イエスアンド話法
  • 1-3. Yes So that話法(イエスソーザット話法
  • 1-4. Yes If話法(イエスイフ話法
  • 2-1. Yes How話法(イエスハウ話法
  • 2-2. Yes What話法(イエスワット話法
  • 2-3. Why話法(ワイ話法
  • まとめ


はじめに

応酬話法とは

お客の質問や反応に応答するための基本的なセールス・トーク。お客の質問や反応には一定の型があり、そのタイプに応じて一定の答え方を準備しようというもの。
出典;コトバンク


これらは、

  • 反論処理
  • 想定問答
  • カウンタートーク
  • オブジェクションハンドリング

などともいわれている営業テクニックです。※2


代表的な応酬話法

  • 質問話法(Yes How話法 / Yes What話法 / Why話法
  • 例話法(Yes If話法
  • Yes but法
  • ブーメラン話法(Yes So that話法
  • 聞き流し話法

などがあります。※1※2


今回の分析対象

今回は、Yes but話法からの派生系としてまとめたかったので、Yes but話法 / Yes and 話法 / Yes So that話法 / Yes If話法 / Yes How話法 / Yes What話法 /  Why話法としました。※1 ※2 ※3

※代表的な応酬話法はカバーできており、唯一聞き流し話法はカバーできませんでしたが、聞き流し方は倫理的にあれなので、除外。

※SPIN法なども今回は対象外。


マトリックスの簡単な説明

まずはマトリックスの簡単な説明です。

横軸が主導権を売り手(営業する側)が持っているか、顧客側が持っているか?

縦軸が、顧客の課題解決型(マーケットイン)型の売り方か、自社の商品(プロダクトアウト)を落としていく売り方かです。


左上:営業が主導権を握り顧客課題を解決する売り方

いわゆるソリューション営業ですかね。情報の非対称性もあり(営業側がもっている)課題解決型の商材なので、コンサル屋さんなどは右上の領域になります。また、プロダクトを持っていても、売る難易度が高いRPAやSFA、MAはこの領域になると思います。


左下:営業が主導権を握り商品を落としていく売り方

ここはゴリッと訪販で売っていくような商材の領域でしょうか?

古き営業シーンをイメージして下さい。


右上:顧客が主導権を握る提案型の商材

この領域は顧客側が情報も持っており、顧客の課題を解決するような商材なので、

受託や代行商材が当てはまります。


右下:顧客が主導権を握り、商品を課題解決型の商材

競合も多く、コモディティ化した商材

※マトリックス適当なのでそのうちブラッシュアップします…。


2つの話法グループ

上記のマトリックスに

yes but話法/yes and 話法/Yes So that話法/Yes If話法/Yes How話法/Yes What話法/Why話法をマッピング&グルーピング。

話法の選定は応酬話法の中でも代表的なyes but話法を中心に、その派生話法をまとめました。上記マトリックス上でマッピング&グルーピングした所、大きく2つのグループに分ける事ができました。


1.言いくるめ系切り返しグループ

このグループには以下の話法が該当します。

  • yes but話法
  • yes and 話法
  • Yes So that話法
  • Yes If話法

yes but話法に代表されるように、肯定をしつつも否定で返したり、相手の否定を根拠に仕立て上げるYes So that話法など、主導権を営業側が持っていないと成立しにく話法グループです。かつ、内容にもよりますが、顧客課題を引き出す事に主眼を置いていない話法なので、マップで言うと左下よりの押し売り系商材に向いている話法と考えられます。

訪販などでは、この辺のスキルが必要になるのではないでしょうか。


2. 質問系切り返しグループ

このグループには以下の話法が該当します。

  • Yes How話法
  • Yes What話法
  • Why話法


どれも顧客の否定に対し、質問する話法なので、相手の立場にそった話法グループです。

その中でも、相手の否定を受け入れる形になりやすいYes How話法は顧客に主導権を握られやすいが、否定自体がなぜ起こったのかを確認する、顧客主導になりにくく、かつ顧客にそったコミュニケーションになりやすいWhy話法など質問話法のなかでも特徴があります。


各応酬話法の詳細


1-1. yes but話法(イエスバット話法

イエスバット話法とは相手の意見を受け入れた後に、自分の意見を相手に伝えます。相手の意見を一度受けることでマイルドに自分の主張を相手に伝えることができるクッション話法です。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:【but】しかし、このシステムを一から作ろうとしたら数千万円かかりますよ?それを考えると安いという考え方もできるのではないでしょうか?


肯定するクッションがはいるので、頭から否定するよりは顧客へネガティブな印象は与えにくいですが、否定の接続詞、「しかし」で返していることには変わらないので、結局、否定されたと感じそうです。


営業側が主導権を握り、顧客の課題に耳を傾けないシーンでしか使えない話法なので、情報もモノも増え、プロダクトアウト型の商材が通用しなくなった2020年代では使えるシーンは少ないのではないでしょうか。



1-2. yes and 話法(イエスアンド話法

yes and 話法では、否定の接続詞、「しかし」で返してしまっていたyes but話法とは違い、

「実は」「それなら」といった肯定的な接続詞で情報を追加します。だから「アンド」なんですね。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:【and】実は、この価格には理由がありまして…


と、このように、追加情報を出して説得する事に向いた話法です。

この話法は情報の非対称性がある(営業側が圧倒的に情報をもっている)事が成立条件です。専門性がある(例えばエンジニア経験のある等)セールスなどであれば、使えるシーンは多いかもしれません。



1-3. Yes So that話法(イエスソーザット話法

相手の否定的な意見を肯定した後、その否定的な意見を根拠として、引き込むアクロバティックな話法です。ブーメラン話法とも呼ばれています。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:やはり、コストは抑えたいですよね?

顧客:そうだね。

営業:【So that】だからこそ、導入していただきたいんです。導入し運用に乗れば毎月のXXは下がります。それと合わせて考えると〇〇をこの価格で解決でき…


なんか、自分が顧客の立場で、こんな感じの返しをされたら、ハメられそうな気がして警戒スイッチ入りそうです。

応酬話法の解説ドキュメントをざっと見ると、称賛されている傾向がある話法ですが、ゴリっと主張を通す感じが、営業側が主導権を持ち、かつプロダクトアウト型の商材が主流の時代の話法な気がしてなりません。



1-4. Yes If話法(イエスイフ話法

Yes If 話法では、顧客の否定をいったん棚上げにして、仮定の接続詞「もし」をつなげ、対話を続け、探りを入れる方法です。例話法とも呼ばれています。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:【If】もし、価格が安くなれば検討可能ですか?


日常でも、議論に息詰まるとよくやる手ですね。

この話法は言いくるめ系にグルーピングしましたが、質問系の特徴ももつ話法です。課題を深堀りした後に使えれば、あるべき未来を提示する魅力的な切り返しに化けるかもしれません。



2-1. Yes How話法(イエスハウ話法

Yes If 話法とちょと似てますね。「どのぐらいなら、どうすれば……できるか」条件を探る話法です。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:【How】どのぐらいなら導入できそうなどのラインってありますか?


より、相手の希望に沿う提案になっていきそうですが、相手に主導権を持たれそうですが、導入可能条件を引き出し、それに寄せる余裕があればズドン決められそうです。

顧客に探りをいれる対話型の切り返しですが、Why話法などと比べると、せっかく先方が言葉にしてくれている反応、条件を受け入れる余裕があるか否かにかかって来そうです。結果、主導権は顧客側に委ねられた流れになりやすいでしょう。



2-2. Yes What話法(イエスワット話法

相手の意見を肯定したうえで、その内容をより具体的に聞き出す話法です。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【yes】おっしゃるとおりです。

営業:【What】他になにか導入のハードルになる所はありますか?


Howよりも幅のある探りはできそうですが…。



2-3. Why話法(ワイ話法

素直に、相手の否定の理由を聞く、以上。な話法です。質問系話法の中で、一番誠実な感じがします。


例)

顧客:【No!】この商品って高くない?

営業:【Why】どの辺で高いと感じられましたか?

顧客:いや、だって〇〇だからさ…。


何がハードルかストレートに聞けます。反論を攻略するというより、反論(導入ハードル)を受け入れた上で、どうするか前を向く。



顧客、営業、どちらが主導権を握るシーンにおいても、顧客の課題を探る流れが作れる話法です。


why手法の応用

why手法はいうなればヒアリングです。どのようにヒアリングするかにもテクニックはあります。株式会社POLのヒアリングノウハウを紹介する記事があったので、紹介します。網羅的なヒアリングと深堀りするヒアリングでPDCAを回し、受注率を30%UPさせたとのことです。


また、実は初回商談時には結果は決まっているという話があって、そこで勝ち切るにはどうしたらよいか?を解説する記事で、why話法(ヒアリング)を上手く使っている事が説明されていたので、そちらの記事も紹介します。3ヶ月で売上が約6倍になったとのこと、すごい…。


※実は、Why話法なんて言われ方はされてないと思いますが、Yuki Ishii(DJ141)/株式会社digsas CEOさんのドキュメントを参考に、今回の企画に合うよう並びの表現を揃えました。

参照 Yuki Ishii(DJ141)/株式会社digsas CEO 確認からスタートするオブジェクションハンドリング https://note.com/dj141/n/n965029b5e60d#0Fapm


まとめ

こう並べてみると、Why話法は顧客との関係も自在に位置取れ、本質的な顧客の課題に切り込みやすいオススメの話法です。

 Yes So that話法は一見、良さそうですが無理にそのフレームにはめようとすると、誠実さが感じられないトークに陥りそうです。また、これから主流になる非プロダクトアウトな商材を売るシーンでは難易度の割にそこまで必要な話法なのか疑問です。てか、無理にねじ込むなら、失注した原因を素直に持ち帰り、商材や売り方、ペルソナに反映した方が事業に貢献できると思います。

 営業テクニックである、7つのyes but話法の派生系応酬話法をみてきましたが、改めて分類すると、プロダクトアウト型の商材が主流だった時代に比べ、これからは質問型の話法、というかちゃんと顧客の声を聞くという人として、事業として当たり前の事が重要になるのではとの流れが見えてきました。



参照

※1 応酬話法とは|代表的な例5選・学べるおすすめの本5選
https://mayonez.jp/topic/9420
※2 応酬話法って何?新人営業が最低限知っておきたい4つのパターンと具体例
https://guri3.com/sales-oushuuwahou/
※3 イエスバット法とは? 会話の基本テクニックを丁寧に解説。
https://studyhacker.net/yes-but
参照:人から好かれる会話術〜否定せずに主張を通すコツ〜 https://www.youtube.com/watch?v=Hp_CZpOSOBA