デジタルインサイドセールスとは、様々なITツールなどを駆使して行うインサイドセールスのことを言い、新しい営業手法の一つだとされています。
これまでの営業スタイルでは、営業担当者が直接お客様のもとへ足を運び、商品やサービスの案内を行うことが一般的でした。しかしながら、このような属人的な営業スタイルでは成果を安定、向上させることが困難であると同時に、決して効率的な手法とは言えません。
そこで今回は、今注目されているデジタルインサイドセールスについてご紹介していきたいと思います。
【index】
- デジタルインサイドセールスとは?
- デジタルインサイドセールスが注目されている背景
- デジタルインサイドセールスを導入するメリット
- デジタルインサイドセールスに必須のITツール
- まとめ
デジタルインサイドセールスとは?
冒頭でも触れたように、デジタルインサイドセールスとは様々なITツールなどを活用して行うインサイドセールスのことです。このように、ITツールやデジタル技術を活用する営業手法を「デジタルセールス」と言い、デジタルインサイドセールスはデジタルセールスの中の一つなのです。
デジタルセールスとは?
そもそも、デジタルセールスとは、ITツールやデジタル技術などを活用してセールスを行う営業手法のことです。電話やメールに加えて、様々なテクノロジーを活用するデジタルセールスを導入することで、効率よく営業活動を行うことができます。
また、デジタルセールスは業務の領域別に担当を分けて行う営業プロセスの方法でもあります。デジタルセールスは、インサイドセールスの他にも「フィールドセールス」、「カスタマーサクセス」の3つの領域に分けることができ、それぞれの業務を分担することで効率よく営業プロセスを進めることができるのです。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、お客様のもとへ直接訪問せずに営業活動を行う手法で、内勤営業とも呼ばれています。
インサイドセールスの主な役割は、マーケティング活動で獲得した見込み顧客(リード)に対し、電話やメールなどを活用しながらコミュニケーションをとることで関係性を深めていくことにあります。
また、ヒアリングをしながら課題を顕在化することで、次の検討段階へ遷移させるなどの顧客育成も行います。
デジタルインサイドセールスが注目されている背景
デジタルインサイドセールスが注目されている背景には、
- お客様の購買行動の変化
- ITツール、デジタル技術の発展
- 新型コロナウイルスによる影響
が挙げられます。
お客様の購買行動の変化
これまでは、お客様が商品やサービスを購入する際には、情報を得るために営業担当者から直接案内を聞く必要がありました。しかし、インターネットで多くの情報を得ることができるようになった近年では、わざわざ営業担当者に会って話を聞かなくても、お客様自身で必要な情報をインターネットから簡単に得ることができるようになりました。
こういったことにより、お客様が購入に至るまでのスピードは早まり、これまで行っていた従来の営業活動の意義が問われるようになったのです。
Tツール、デジタル技術の発展
これまでは、営業担当者が直接お客様と会ってコミュニケーションをとることで、自社の商品やサービスへの関心度の高さを測っていました。
しかし、現在ではITツールやデジタル技術の発展により、お客様が商品購入に至るまでの行動などといった情報を取得できるようになったのです。
例えば、MAを利用することによって、BANT情報やお客様の興味、関心の度合いをデータとして蓄積、活用することが可能となっています。このように、ITツールやデジタル技術の発展により、直接お客様と対面する営業スタイルよりも効率的かつ、情報をとりやすくなったのです。
新型コロナウイルスによる影響
新型コロナウイルスの影響も、デジタルインサイドセールスが注目される理由の一つです。
感染を予防する目的から、できるだけ人と対面しないことが求められ、これまでのように営業担当者がお客様のもとへ訪問することができなくなってしまいました。
しかし、デジタルインサイドセールスを導入することでお客様への情報提供をオンライン上でできることに加えて、営業担当者が直接訪問する頻度を少なくし、移動時間や交通費の削減も可能となったのです。
デジタルインサイドセールスを導入するメリット
営業担当者がお客様を訪問せずにアプローチできる、デジタルインサイドセールス。導入することによるメリットには、
- 商談数を増やすことができる
- 少人数で多くのお客様をカバーできる
- 検討タイミングを逃さない
といったことが挙げられます。
商談数を増やすことができる
デジタルインサイドセールスを導入することで、1日当たりの商談数を増やすことが可能となります。
これまでのように一人の営業担当者が一貫して行う営業スタイルでは、優先度の高いお客様から対応するため、優先度の低いお客様へのアプローチに同等の時間と熱量をかけることは非常に困難でした。
しかし、ターゲット選定やリスト作成、商談化のためのアプローチをデジタルツールを駆使したインサイドセールスが行うことで、それぞれが自身の業務に集中することができ、結果的に商談数の向上につなげることができるのです。
少人数で多くのお客様をカバーできる
デジタルインサイドセールス導入により、時間を有効に活用できることから、少人数で多くのお客様をカバーすることができます。
デジタルツールを活用することで効率的に営業活動を行うことができると同時に、オフィスから移動せずに対応することができるため、担当者1人当たりがアプローチするお客様の数を増やすことも可能となるわけです。
検討タイミングを逃さない
デジタルインサイドセールスを導入することで、これまでの営業スタイルでは後回しになってしまいがちだったお客様への接触回数を増やせることから、検討のタイミングを逃すことを避けられます。
これまでの営業スタイルでは、商談化しなかったお客様へのフォローに漏れがあるなどして、知らないうちに競合負けしてしまうケースも少なくなかったかと思います。
しかし、定期的にお客様とコミュニケーションをとることで、多忙で不在にしがちな決裁者のスケジュール調整もしやすくなり、競合負けなどを防ぐことができるのです。
デジタルインサイドセールスに必須のITツール
デジタルインサイドセールスを導入する上で欠かせないのが、SFA/CRM、MA、web会議ツール、CTIです。
SFA/CRM
デジタルインサイドセールスでは、お客様の情報やコミュニケーションの履歴などの情報を正確に記録しておく必要があることから、SFAやCRMの導入が必要です。
SFA(Sales Force Automation)は、営業支援システムとも呼ばれ、営業活動を記録したり、案件の進捗管理などの機能が搭載されています。
これらの機能によって「営業活動を見える化」することにより、属人化されがちな情報を社内で共有することができるのです。
一方のCRM(Customer Relationship Management)とは、お客様の会社名や部署などの基本情報の他、購買履歴やコミュニケーション履歴などの情報を一元管理するシステムのことです。
お客様の基本情報だけでなく、購買実績や頻度、志向や要望といった定性的な情報を蓄積し、分析することでお客様のニーズに合ったアプローチすることが可能となるのです。
MA
MA(マーケティングオートメーション)とは、お客様の情報を蓄積して分析、活用することにより、集客や顧客育成(ナーチャリング)を効率的に行うことができるマーケティングツールです。
MAをデジタルインサイドセールスで活用する代表的な例としては、お客様の興味度合いをスコアに換算し、特定のスコアに達したらインサイドセールスの担当者にフォローを促すといった方法があります。
web会議ツール
web会議ツールとは文字通りオンライン上でミーティングや商談を行うことができるツールです。web会議ツールを導入することで、移動時間の削減や会議室を確保する手間が省けたり、画面上で資料を共有することによって訪問営業と遜色ないコミュニケーションを取ることが可能となります。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話やFAXを統合させたシステムのことを言います。
CTIシステムには様々なものがありますが、デジタルインサイドセールスにおすすめなのが、通話内容を自動的に録音・テキスト化する機能があるものです。導入することで、電話中にメモを取る必要がなく、お客様との会話に集中することが可能となります。
また、SFAやCRMと連携して活用することで、その都度入力する手間を省くこともできるのです。
まとめ
今回は、今注目されているデジタルインサイドセールスについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
お客様の購買行動の変化への対応や、業務効率化などの課題に対し、デジタルインサイドセールスは有効な営業手法だと言えます。
アフターコロナにおいても効果的な営業手法であることから、今後ますますデジタルインサイドセールスが注目されることでしょう。
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