セールスファネルとは、企業の商品やサービスに初めて触れる人(潜在顧客)を購入、継続的な顧客化へ導いていくためのステップのことを言います。
マーケティングに関わる方であれば、一度は耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか?
セールスファネルを理解し、うまく作りこむことで効率的かつ効果的に継続した販売につなげることができるようになります。
そこで今回は、セールスファネルを取り入れるメリットや作成方法、実践する際のポイントなどについてご紹介していきたいと思います。
【index】
- セールスファネル・セールスファネルチャートとは?
- セールスファネルを導入するメリット
- セールスファネルの作り方・実践方法
- ファネル分析のポイント
- まとめ
セールスファネル・セールスファネルチャートとは?
冒頭でも触れたように、セールスファネルとは潜在顧客に企業の商品やサービスを認知してもらい、そこから購入、継続的な顧客化に至るまでの過程を表現した逆三角形の図のことです。これを、「セールスファネルチャート」と言います。
ちなみに、「ファネル」とは、液体などを小さな容器に入れる際に使用する漏斗(ろうと)を意味しています。セールスファネルチャートは、ファネルの一番上で多くの潜在顧客・見込み客を集め、セールスを繰り返してふるいにかけられる中で徐々にその数が少なくなっていく過程を表しています。
セールスファネルチャートとは?
セールスファネルチャートにある基本的なステージは、次の通りです。
◆トップ・オブ・ファネル:認知
セールスファネルの入り口になるのが、このステージです。
商品やサービスに関することをほとんど知らず、ニーズも感じていない「潜在顧客」が該当します。無料オファー(資料請求、メルマガ登録など)により、次のステージに持っていきます。
◆ミドル・オブ・ファネル:興味、関心・比較、検討
このステージは、無料オファーに興味を持ってくれた人が該当します。
ここでは、マーケティングを体験した潜在顧客を、見込み客へと変化させる必要があります。その際に使用される代表的な手法が、ステップテールの活用です。
さらに、テップメールによって興味を持ってくれた人に提案することで、顧客化する段階でもあります。
◆ボトム・オブ・ファネル:購入
最下層にいる人は全員顧客であると同時に、自社のファンでもあります。
商品やサービスの購入に至らなかったとしても、潜在的なリードとして残ります。
出典:https://saleshacks.digima.com/how-marketing-funnel-works/
ファネル分析とは?
ファネル分析とは、上の図のように購入に至るまでのお客様の購買プロセスを分解し、それぞれのプロセスにおいて成果につながった行動、つながらなかった行動などを分析する手法です。
「どの時点で離脱しているのか?」「離脱している原因は何か?」などを分析することで、購買プロセスのどこを改善するべきなのかを把握することができるのです。
セールスファネルを導入するメリット
セールスファネルを導入よるメリットには、具体的に次のようなことが挙げられます。
潜在顧客との関係性を作りやすい
セールスファネルを導入するメリットとしてまず挙げられるのは、潜在顧客との関係性をうまく作ることができるといったことです。
例えば、もしセールスファネルを導入せず即座に「商品を購入してください」と声をかけても、その場で成約に繋げることは非常に困難でしょう。このように、お互いを知らず信頼関係もない状態では、むしろ警戒されてしまう危険性もあります。
しかし、セールスファネルを取り入れることで、あらかじめ自社の商品やサービスを認知してもらってから接触できる状況を作り出すことができ、信頼関係が作りやすくなるのです。
売上に関する予測ができる
セールスファネルを取り入れることで、今後の売上げを予測しやすくなります。
セールスファネルを取り入れると、すべての見込み顧客に同じ順序で同じアプローチを行うことができることから、「どのくらいの人が購入してくれているのか?」といった成約率の統計データが取りやすくなりますよね。
このように統計データを得ることで、今後の売上げ予測や予算計画も立てやすくなると言うわけです。
顧客化の機会を拡張できる
セールスファネルを取り入れることで、見込み顧客への手厚いフォローが可能となり、顧客化の機会を拡張することができます。
もし、セールスファネルを行っていなければ、見込み顧客が増えると同時に手間が増えて対応が中途半端になってしまい、販売機会を逃してしまうかもしれません。
セールスファネルを取り入れると、成約する可能性の高い見込み客だけに絞り込むことができ、見込み顧客が増えても優良顧客を増やせる仕組みを構築することができるのです。
営業活動の改善がしやすくなる
セールスファネルを取り入れると、現状を把握できることから営業活動の改善もしやすくなります。
例えば、下記のようなセールスファネルを構築すると、それぞれの過程における統計データを取ることができます。
ランディングページ
↓
無料オファーを提供
↓
ステップメールを送信
↓
セールス
↓
成約
上記のような各過程での統計データを得ることができれば、改善するべき過程がわかり、スピーディーな営業活動の改善につなげることができるのです。
マーケティングを自動化できる
セールスファネルを取り入れることで、マーケティングを自動化することも可能となります。
例えば、無料オファーを受け取ったユーザーやステップメールをクリックしたユーザーに対して自動的にメール送信を行うことができれば、自動的にお客様が増えていく状況を作り出すことも可能なのです。
セールスファネルの作り方・実践方法
セールスファネルチャートを作成し、実践する方法は次の通りです。
見込み客を特定
セールスファネルチャートを作成する前に、まずはペルソナ(見込み客)を特定します。
ニーズや行動、目標を分析したうえで、様々な顧客セグメントのプロフィールを作成しましょう。
見込み客のニーズを深く掘り下げるには、アンケートやインタビューの実施などが有効です。これらのような調査結果に応じて、用意すべきサービスや関心を引く販売方法を検討しましょう。
必要なコンテンツの書き出し・作成
次に、購入につなげるためにはどのような情報が必要なのかを書き出し、作成します。
具体的には、次のような3つの種類のコンテンツが必要です。
・トップ・オブ・ファネルに設置するコンテンツ
トップ・オブ・ファネルでは、潜在顧客層に自社の商品やサービスを知ってもらい、必要性を感じてもらうコンテンツを設置します。
・ミドル・オブ・ファネルに設置するコンテンツ
ミドル・オブ・ファネルには、他社との比較コンテンツを設置します。
そのコンテンツの中で、「自社が他社よりも優れている」ということを暗に伝えるのがポイントです。
・ボトム・オブ・ファネルに設置するコンテンツ
ボトム・オブ・ファネルには、購入につなげるためのコンテンツを設置します。
ここでは、「自社の商品やサービスの導入で売上が上がった」などの成功事例を紹介することで、投資効果を判断してもらうことができます。
セールスファネルチャートを作る
提供するコンテンツのイメージが出来上がったら、セールスファネルチャートを作成して、流れを整理しましょう。セールスファネル作成の際は、デジタルでも手書きでも可視化できるものであれば何でも構いません。
実際に稼働し始めたら、成約率やメール開封率などのデータも入れていきましょう。
効果を測定・改善する
セールスファネルを作成したら、数か月に一度は統計データを分析し、改善を図りましょう。
例えば、見込み客を獲得するランディングページの成約率が悪ければ、無料オファーを変更したり、ステップメールの開封率が悪ければ件名を変えてみるなどの改善をします。
ファネル分析のポイント
セールスファネルを用いて分析を行う際に知っておきたいポイントは、次の通りです。
ファネル分析には向き不向きがある
セールスファネルを用いた分析は、購入までにプロセスが一直線である場合に有効であることから、BtoBには向いていますが、BtoCの分析には、不向きだと言えます。
BtoCの場合、お客様の購買心理は多様化していることから、購買プロセスも様々です。一方のBtoBでは、BtoCのように興味や関心が他へ移るケースが少なく、購入までのプロセスは一直線であることから、ファネル分析に適しているのです。
市場のニーズを把握する
セールスファネルを作成し、実践するには、
- 市場ニーズがあること
- 分析の対象となる商品、サービスがそのニーズに合致していること
といったことが前提条件です。
最終的に成果につなげるには、まずは市場のニーズを把握したうえで、ニーズに合った商品やサービスを企画する必要があります。そのためには、サイト分析や顧客アプローチ状況の管理などを効率的に行うことができるITツールの導入も有効です。
シンプルなプロセスからスタートする
セールスファネルを用いた分析を行う際は、複雑なプロセスを設定せず、シンプルなプロセスからスタートさせましょう。
単純なプロセスからスタートさせることで、徐々に様子を見ながら改善していくことをおすすめします。
まとめ
今回は、セールスファネルを取り入れるメリットや作成方法、実践する際のポイントなどについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
セールスファネルを用いた分析は、アプローチ方法を細分化して整理すると同時に、言語化することも大切です。
ぜひ、セールスファネルについて理解して、効率的なマーケティングを行いましょう。
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