ペルソナとは、元々は登場人物や人格を言った意味を持つ言葉ですが、マーケティングにおけるペルソナとは、自社の商品やサービスの典型的なお客様像のことです
マーケティングや営業に携わる人であれば、一度は耳にしたことのある言葉だと思いますが、その意味を曖昧にしか理解していないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ペルソナの意味や設定するメリット、設定する方法などについてご紹介していきたいと思います。
【index】
- ペルソナとは?ターゲットとの違いについて
- ペルソナを設定するメリット
- ペルソナを設定する方法
- ペルソナを設定する際のポイント・注意点
- まとめ
ペルソナとは?ターゲットとの違いについて
ペルソナと混同されやすい言葉に「ターゲット」という言葉がありますが、これらには明確な違いがあります。
ペルソナは、自社の商品やサービスを購入してくれるであろう「個人」であり、実在しているかどうかは前提とされていないことに対して、ターゲットとは実在する「集団」であるということが大きな違いです。
また、ペルソナとターゲットでは設定する範囲の詳細さにも違いがあります。
例えば、ターゲット設定では「20代男性」「千葉県在住の主婦」などといったように、年齢や性別、居住エリアなどの属性で分類し、狙いたい見込み顧客を絞り込みます。
一方で、ペルソナ設定では年齢や性別、職業などの定量データだけでなく、価値観や性格などの定性的な要素にまで踏み込み、よりリアルな情報を設定していきます。
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定することによって得られるメリットには、次のことが挙げられます。
メンバー間でターゲット像の共通認識が生まれる
もし、「都内在住の20代未婚男性」とターゲット設定しても、メンバーによって思い浮かべる人物像はそれぞれ異なってしまいます。しかし、具体的にAさんというペルソナを設定することで、よりお客様のことを理解することができるのです。
メンバー間でのターゲット像のズレをなくすことで、アイディアを共有しやすくなったり、打ち合わせをスムーズに進めることにつながります。
お客様のニーズをより詳細に把握できる
ペルソナを設定してターゲットとなる人物像を明確にすることで、どのような商品やサービスを必要としているのかをより把握しやすくなります。曖昧だったニーズを明確にすることで、より心に響く商品やサービスを生み出せる可能性が高まるのです。
精度の高いマーケティング活動ができる
ペルソナ設定によってお客様のニーズを詳細に把握できれば、その人物の生活をイメージしやすくなることから、抱えている問題点を発見しやすくなります。その結果、商品やサービスの認知から購入につなげる手法を考えたり、より心に刺さるメッセージを考えることが容易になるのです。
また、ペルソナが具体的であれば、発信する情報の内容や発信するべきタイミングなどもイメージしやすくなり、より精度の高いマーケティング活動が可能となるのです。
ペルソナを設定する方法
では、具体的にペルソナを設定する方法についてご紹介していきます。
1.情報収集を行う
まずは、ペルソナにしたい人物像を作るために必要な情報収集を行います。
情報収集の具体的な方法としては、下記のような方法があります。
・お客様へのインタビュー、アンケート
お客様の生の声は、貴重な情報です。ある程度の母数を集めるためには、アンケートフォームを作成してSNSなどで拡散することも一つの方法です。本音を引き出すためには、無記名アンケートも有効です。
・営業担当者へのインタビュー
BtoB商材の場合は、直接お客様の反応を見ている営業担当者から、実際のお客様にアンケートを行ってもらうことで有益な情報を集めやすくなります。
・社内データの分析
自社サイトのアクセス解析や、蓄積されているデータを活用することも有効な手段の一つです。
・既存調査結果の活用
公的機関が公開している統計など、既存の調査データからも、ペルソナ設定に必要な情報を収集することが可能です。
・ソーシャルメディアからの収集・分析
アンケートなどでは引き出すことが難しいお客様の本音を引き出すには、ソーシャルメディアへの書き込みを収集、分析して潜在的なニーズを把握することも可能です。ソーシャルメディアの代表例としては、TwitterやFacebookなどのSNS、動画共有プラットフォームのYouTubeなどが挙げられます。
2.一人のお客様像を作る
必要な情報を収集出来たら、それらをもとに実際に一人のお客様像を作成しましょう。
下記のような項目を書き出して、具体的にしていきます。
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 居住エリア
- 職業
- 年収
- 趣味
- 家族構成
- 1日の暮らしの流れ
- 性格、価値観
- 悩み
- 利用しているSNS
- インターネットの利用状況、利用時間
ペルソナの設定は、商品やサービスの軸がぶれてしまわないよう、実在しそうなお客様像を1人に絞ることが大切です。
明確にペルソナを設定出来たら、そのペルソナが興味を持つようなマーケティング施策を行っていきます。
ペルソナを設定する際のポイント・注意点
ペルソナを設定する際は、注意すべきいくつかのポイントがあります。
下記について注意しながら、設定しましょう。
心理的な要素まで詳細に設定する
ペルソナの設定は、「どれだけリアルな人物像を作ることができるか?」といったことが重要なポイントとなります。
年齢や性別、居住エリアなどの様々な要素から、心理的な部分まで詳細に設定しましょう。
理想のお客様像にしない
「こんなお客さんだったらいいな」という理想像ではなく、具体的に自社の商品やサービスを購入する可能性がある人物を意識しながら設定しましょう。
ペルソナ設定の目的は、メンバー全員が共通のイメージを持てる具体的なお客様像を設定することです。ペルソナを理想的なお客様として考えてしまうと、実際のお客様像とは異なり、効果的なアプローチができなくなってしまう可能性があるのです。
先入観を避ける
ペルソナを設定するうえで、「○○なら××であるはず」などの先入観を入れてしまうと、本来のお客様像をはかけ離れたものが生まれてしまいます。
先入観や思い込み、想像のみでペルソナを設定するのではなく、定量的なデータやお客様の声を反映させることで、納得感のあるペルソナを設定しましょう。
場合によっては複数のペルソナが必要
ペルソナの設定は、実在しそうな1人のお客様像を作ることが基本ですが、商品やサービスによっては複数のペルソナ設定が必要となる場合もあります。
その際は、メインとなるペルソナを1人設定し、その上で異なるペルソナを作り、それぞれのペルソナに合ったマーケティング施策を行いましょう。
また、BtoB企業では企業そのものだけでなく、決裁権のある経営者や、実際に商品・サービスを利用する担当者といった複数のペルソナを設定する必要があります。その際は、「担当業務は何か?」「解決すべき課題には何があるのか?」など、それぞれのビジネス項目を重点的に深堀していきましょう。
定期的に見直す
ペルソナは、一度設定したら終わりではありません。
様々なデータを踏まえて作成したペルソナでも、実際に運用を始めてみると現実のお客様とかけ離れている場合もあります。ペルソナに違和感を少しでも感じたら、そのペルソナに合わせたマーケティング施策を行うのではなく、ペルソナの見直しをする必要があります。
また、お客様の状況や関心は、時間の経過に連れて変化していくものです。ペルソナはその時代や背景に合わせて設定された架空のお客様像ですので、自社の商品やサービスが時代遅れにならないよう、定期的に見直しましょう。
まとめ
今回は、ペルソナの意味や設定するメリット、設定する方法などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
典型的なお客様像であるペルソナを設定することで、ニーズを的確に把握することができ、マーケティングに活かすことができます。より精度の高いマーケティング活動を行えるよう、この機会にぜひペルソナの設定に挑戦してみてください。
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