アカウントベースドセリング(ABS)とは?実施するポイントについて

最近では、MAやCRMなどのセールステックの進化や、お客様側のニーズの変化などによって、様々な新しい営業手法が生まれています。

その中の一つとされる「アカウントベースドセリング」という営業手法は従来の「法人営業」と意味合いは同じであり、新しい概念ではありませんが、販売・マーケティングの専門家の8割以上が新しいお客様に到達するために使用している注目すべき手法でもあります。

今回は、アカウントベースドセリングの概要や、アカウントベースドセリングの実施に欠かせない「アカウントベースドマーケティング」についてもご紹介していきたいと思います。


【index】

  • アカウントベースドセリングとは?
  • アカウントベースドセリングを実施するポイント
  • アカウントベースドセリングだけじゃない!今注目の営業トレンド
  • まとめ

アカウントベースドセリングとは?

アカウントベースドセリング(ABS)とは、アカウント(企業)に対してアプローチを行うBtoBにおける営業手法の一つです。リード個人に対して営業プロセスを進めるのではなく、自社にとって価値のある優良な企業(アカウント)に対してアプローチを行うことに特徴があります。

アカウントベースドセリングは、営業やマーケティング、販売、経営陣といった複数の部門が連携しながら戦略的にアプローチすることによって実現できるとされています。

同時に、アカウントベースドセリングは、営業部門とマーケティング部門とのギャップを埋めるツールであり、有効に活用することによって売上の向上や企業の拡大に繋げることができるのです。


アカウントベースドセリングの概念そのものは以前から存在していましたが、MAやCRMなどといったセールステックの進化により、多角的に複数の意思決定者候補に対してアプローチできるようになったことから、今注目されている営業手法なのです。

ただし、アカウントベースドセリング戦略はどのような企業にも機能するわけではありません。ターゲットが小規模な企業よりも、大規模な企業であったり複雑なBtoB販売である場合にその効果を発揮することができるのです。


アカウントベースドマーケティングとは?

アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、リード個人ではなくアカウント(企業)に対してアプローチを行う、BtoBにおけるマーケティング戦略の一つです。

アカウントベースドセリング(ABS)と同様に、近年のセールステックの進化などによって注目を集めているマーケティング手法であり、アカウントベースドセリング(ABS)は、アカウントベースドマーケティング(ABM)によって提供されたリードを商談へ進化させます。

自社にとって価値のある優良な企業(アカウント)を選択し、それぞれに合わせた戦略を立てるアカウントベースドマーケティングは、最初から対象企業を絞り込んでアプローチするのが特徴です。

アカウントベースドマーケティングを行うメリットには、

  • ROIの向上
  • リソースの無駄を削減
  • PDCAを高速で回せる
  • 効果測定しやすい

といったことが挙げられます。


ターゲットを優良顧客に絞ってアプローチするため、投資対効果であるROIの向上が見込めると同時に、リソースの無駄を省くことにも繋がります。

また、ターゲットを少数に絞ることにより、PDCAを高速で回すことができたり、メールや広告、イベントなどのキャンペーンの効果を測定しやすいといったメリットも挙げられます。


リード(個人)ベース・アカウント(企業)ベースの違い

リード(個人)単位でのアプローチと、アカウント(企業)単位でのアプローチでは、マーケティングプロセスが異なります。

リードベースの場合は、認知→関心→検討→購入といった流れでプロセスが進行しますが、アカウントベースの場合は、まずは対象企業を特定し、接点拡大→エンゲージ→支持・拡散といった流れでマーケティング施策が展開されます。

このように、リードベースでのアプローチとアカウントベースでのアプローチでは、それぞれの起点が大きく異なるのが特徴です。


アカウントベースドセリングを実施するポイント

アカウントベースドセリングの手法が自社に適していると判断したら、下記のポイントに留意して実施してみましょう。


複数部門の連携

アカウントベースドセリングの実施によって成果を上げるには、営業チームやマーケティングチーム、経営や開発チームなど、複数の部門間での強固な連携が欠かせません。

その中でも特に、営業とマーケティングは密に連携をとることが重要です。なぜなら、現場で受注する営業と、案件を数字面で管理するマーケティングの両方のスキルが必要であると同時に、双方の情報をリアルタイムで共有する必要があるからです。

そのため、アカウントベースドセリングを実施するのであれば、営業とマーケティングとの連携関係を事前に構築しておくことが大切です。


対象となるアカウント(企業)を設定する

対象となるアカウント(企業)が特定されていなければ、本格的にアカウントベースドセリングを実施することはできません。まずは、注力してアプローチするべき企業を企業名レベルでリストアップするところから始めましょう。

多くのBtoB企業では、売り上げの大半を2割のお客様が占めていることから、その2割の企業の業種や規模、地域などの属性を分析し、同じ属性の企業を選出するのも一つの方法です。


パフォーマンスの評価

関連する指標を測定し分析を行うことで、パフォーマンスを評価することも必要です。

メールやイベント、広告などのキャンペーンの効果を測定し、その都度適切な調整を行うために、様々な時点での成果を確認することが理想です。

同時に、パフォーマンスの評価を行うことで、アカウントベースドセリング戦略が機能している場所や注意が必要な場所を特定することも可能となります。


アカウントベースドセリングだけじゃない!今注目の営業トレンド

近年注目されている営業手法は、もちろんアカウントベースドセリングだけではありません。今注目されている営業トレンドをまとめました。


営業・マーケティングのデジタル化

新型コロナウイルスの影響により、これまでのような対面での営業から非対面での営業への移行が急速に進みました。同時に、オンラインセミナーやバーチャル展示会、メールなどのデジタル技術を活用したBtoB施策も多くの企業が取り入れるようになりました。

新型コロナウイルスの影響だけでなく、人手不足や働き方改革など様々な要因により、営業・マーケティングのデジタル化の重要性は今後も増していくでしょう。


動画活用

主にBtoCで活用されることの多かった動画ですが、5Gサービスが開始されることなどによってBtoBマーケティングの手法としても注目を集めています。

BtoBにおける動画の内容としては、サービスや商品の紹介動画やツールの操作方法、導入企業のインタビューなど、様々な用途があります。

また、活用方法としては、広告配信やLPやサービスサイトへの設置の他、SNSでの発信や動画配信サービスへの掲載などが有効だとされています。


オフライン広告

オフライン広告とは、タクシー広告やテレビCM、屋外看板など、インターネット上以外に掲載する広告のことを言います。

オフライン広告による効果は、リードの獲得はもちろん、ブランド認知や信頼性の向上などといった効果も見込むことができることから、BtoBマーケティング手法の一つとしても注目されているのです。


CRMの活用

CRMとは、お客様の膨大な情報を蓄積・管理するシステムのことで、情報の分析や可視化を行うことが可能です。

代表的な機能には、顧客管理や顧客解析の他、問い合わせ管理やメール配信、セミナー集客などがあり、それらのデータを一元管理することができるのです。

CRMが普及している背景には、セールステックの進化の他、お客様の購買行動の変化もあります。

近年では、インターネットの普及によってお客様が自ら必要な情報を探すようになったことから、より最適な商品やサービスを求めるようになりました。このような購買行動の変化に対応するため、お客様の情報を整理して、最適な提案を行うことでニーズを満たす必要が出てきたことから、CRMを導入する企業が増えてきているのです。

また、CRMの活用によってデータを一元化できるようになることから、マーケティングチーム、インサイドセールスチーム、フィールドセールスチームなどの他の部門との連携がとりやすくなるといったメリットもあります。


まとめ

今回は、今注目の営業手法の一つである「アカウントベースドセリング」や「アカウントベースドマーケティング」などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

これらは、最大の売り上げが見込める優良顧客に焦点を当てることから、社内のリソースを集中させて無駄を減らすことができたり、営業とマーケティングの連携ができるなどといった多くのメリットがあります。

アカウントベースドセリング・アカウントベースドマーケティングの実施と同時に、その他の営業手法も組み合わせるなどして、自社に合った手法を実施しましょう。