テレワークなどの多様な働き方の普及や新型コロナウイルスの影響などにより、多くの企業では従来のような「足で稼ぐ」営業スタイルが見直されています。
同時に、近年のセールステックの進化によって、それぞれの業界や目的に特化したツールが多く登場していることから、今後ますます営業のデジタル化は加速していくでしょう。
そこで今回は、急務とされている営業のデジタル化を進めるにあたって知っておきたいノウハウをまとめました。
【index】
- 営業のデジタル化とは?今必要とされている理由
- 営業のデジタル化で実現できること
- デジタル化によって営業担当者が求められること
- 営業のデジタル化を実践するためのツール
- まとめ
営業のデジタル化とは?今必要とされている理由
営業のデジタル化とは、デジタルツールを活用した営業活動を行うことです。
これまでは人が行っていた営業活動の一部をでデジタルツールに代替することで、業務効率や生産性の向上、コストカットを図ることができるのです。
具体的な営業のデジタル化の例としては、
- 営業メールやwebコンテンツを活用したリード獲得手法への変化
- SFAやCRMを活用したお客様の分析
- オンライン商談の導入
などが挙げられます。
これらのように、営業におけるデジタル化が必要とされている理由には、下記のようなことが挙げられます。
テレワークの普及など働き方の変化
テレワークの普及により、多くの企業では従来型の営業スタイルを見直すことが急務とされています。例えば、従来型の営業では決裁や承認を紙媒体で行うために、出社する必要がありました。しかし、それをデジタル化することによって決裁者や承認者の場所を問わず処理を実現することが可能となります。
少子高齢化による労働人口不足
少子高齢化や人口減少などにより、多くの業界においてリソースの不足が発生しています。
特に、現在約800万人存在している団塊の世代が後期高齢者となる75歳を迎える2025年には、国民の3~4人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」が待ち構えているのです。
そこで大きな問題となるのが、労働人口の不足です。企業を維持し、さらに繁栄させていくためには、デジタル技術やデータを活用した営業のデジタル化により早急に備える必要があるのです。
お客様側の購買行動の変化
企業が営業のデジタル化を進めるべき理由は、お客様側の購買行動が変化したことにもあります。
従来は、営業担当者がお客様の元へ直接訪問して対面する「足で稼ぐ」営業スタイルで売上を上げていましたが。しかし、現在のBtoBにおける約7割のお客様は、営業担当者が訪問する前にインターネットでの情報収集によって商品の選定や絞り込みを終えているのです。つまり、従来の営業担当者の役割である「情報の提供」という仕事はすでにデジタルに代替されており、その代わりに営業担当者は、よりお客様に寄り添った提案をすることが必要となってきたのです。
リードタイム(商談期間)の短縮
お客様側の購買行動の変化により、商談期間であるリードタイムが格段に短縮されてきています。そのため、お客様にとって価値のある情報をタイミングよく伝えることが重要となるのですが、日程調整がスムーズにできずにいると、せっかくの商談機会を逃してしまう場合もあります。
とは言っても、このようなリードタイムの短縮は、売上の向上はもちろん、営業コストの削減といったメリットももたらしますので、営業のデジタル化を進めることによってポジティブに捉えましょう。
営業のデジタル化で実現できること
では、営業のデジタル化を進めることによって、具体的にどのような事を実現できるのでしょうか?
営業のエリアが広がる
従来のような営業スタイルでは、営業可能な範囲が限られてしましますが、オンライン商談ツールの導入により、営業可能なエリアが広がります。
日本全国からの問い合わせはもちろん、営業のデジタル化によって海外のお客様を獲得することも可能となります。
営業担当者の商談数を最大化できる
オンラインで商談ツールを導入することで移動時間の削減ができるため、営業担当者一人当たりの商談数を最大化することができます。
新型コロナウイルスの影響によって訪問が難しくなり、オンライン会議システムやビデオ通話などのシステムを導入された企業も多いかと思いますが、アフターコロナ社会においても営業活動の効率化や営業機会の拡大に有効なのです。
積極的なデータ活用によってマネジメントの精度が向上する
営業をデジタル化することで様々なデータを収集できることから、データに基づいた精度の高いマネジメントを行うことも可能となります。
従来型の営業では、営業担当者の経験や勘に頼る部分が大きく属人的であるために、
- なぜ売れたのか(売れないのか)わからない
- 売上の根拠や予測が立てらない
- 営業の進捗状況がわからない
- 営業担当者個人が抱える課題がわからない
といった悩みを多くの営業マネージャーが抱えがちです。
しかし、営業をデジタル化することによって得たデータを積極的に活用することで、架電数やその内容、現在の案件量やチームのお客様の情報などを総合的に管理することができるため、精度の高いマネジメントをスムーズに行うことができます。
多様な働き方に対応できる
営業のデジタル化を進めることで、多様な働き方にも柔軟に対応することができます。
例えば、育児や介護などで通勤が困難な場合でも、オンライン会議システムなどのツールを導入することで、場所を問わずに業務が可能となります。このような多様な働き方への柔軟な対応は、有能な人材の確保にもつながります。
デジタル化によって営業担当者が求められること
デジタル化に伴い、現場の営業担当者には従来の営業スタイルとは違ったことが求められるようになります。
ITリテラシーの向上
様々なツールを導入し、デジタル化が今後も加速していくことにより、営業担当者のITリテラシーの向上がますます求められるようになるでしょう。
例えば、オンライン商談ツールを導入する際、そのツールの使い方を把握することはもちろん、オンライン商談のための資料を作成したり、オンライン会議ならではの最低限のマナーを知っておくことも大切です。
情報収集力
デジタルツールやインターネットを利用してお客様一人ひとりに合った提案をするためには、お客様の情報はもちろん、その周辺情報まで収集し、把握しておく必要があります。
しかし、ただ単に情報を集めればいいというわけではなく、自分の提案の中に収集した情報を落とし込み、お客様のタイミングに合ったベストな情報を提供することが重要なのです。
営業のデジタル化を実践するためのツール
営業のデジタル化を実践するツールには、オンライン商談ツールやSFA、CRMなどといった様々なものがあり、得意とするケースが異なります。
ここでは、それぞれのケースに応じた有効なツールをご紹介していきたいと思います。
営業プロセスを最適化するツール
営業のデジタル化において欠かせないのが、取引管理ツールであるSFA(セールスフォース・オートメーション)です。
SFAとは、営業支援システムとも呼ばれ、営業担当者が日々の営業活動を記録することによって、次にとるべきアクションを教えてくれたり、報告書の作成などを行ってくれるシステムです。このように、業務の自動化や分析をすることによって、営業活動のボトルネックや課題を明確にし、業務の効率化を図ることができるのです。
既存顧客を育成するツール
顧客管理システムであるCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)の導入も、営業のデジタル化に有効です。
CRMとは顧客管理を行うためのツールのことで、顧客単位での情報管理や営業メールの配信、問い合わせ管理やセミナーなどのイベント集客などの機能があります。これらのような機能によってお客様との関係を構築することができ、継続的な売り上げに繋げることができるのです。
オンライン商談ツール
近年のテレワーク化の加速に伴って、多くの企業で導入が進んでいるオンライン商談ツール。代表的なものには「ZOOM」や「Skype」といったツールがあり、業務効率の向上やコスト削減、営業力の強化などのメリットがあります。
オンライン商談ツールを導入する際のポイントは、落ち着いて実施できる場所を用意しておくことです。オフィスの自席では周囲の音が気になって集中できないなどの場合も考えられますので、オンライン専用の部屋やシェアオフィスなどを用意するなどの準備が必要です。
また、いきなり全ての商談をオンライン商談に切り替えることが難しい場合は、「移動時間が2時間以上かかる」などの条件を設定して取り入れるのもおすすめです。
コミュニケーションを効率化するツール
代表的なビジネスチャットツールには、「Chatwork」や「Slack」、「Teams」などがあり、コミュニケーションを効率化することに役立ちます。
多くのビジネスチャットでは、PCだけでなくスマホアプリからも確認、送信することが可能ですので、移動中でも利用することができます。
電話やメールよりも手軽なコミュニケーションができるチャットツールは、リモートワークとも相性が抜群です。
まとめ
今回は、営業のデジタル化を進めるにおいて知っておきたいノウハウをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
デジタルツールを導入することで、営業の効率化や生産性の向上が見込めると同時に、コスト削減にもつながります。
ぜひ、自社に合ったデジタルツールを導入して効率的かつ生産的な営業活動を実現させましょう。
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