固定電話がIP化することによる企業への影響とは?対策すべき2つのこと

固定電話(加入電話・ISDNネット)がIP化することによる企業への影響とは、電話業務そのものというよりも、ISDNネットを利用してデータ通信を利用するEDI(電子データ交換システム)にかかわる業務にあります。

多くの企業がISDNネット利用しているにも関わらず、それを認識していないケースも多いものです。

そこで今回は、固定電話がIP化することによる企業への影響や対応策などについてご紹介していきたいと思います。


【index】

  • 固定電話のIP網への移行の概要とスケジュール
  • 固定電話のIP化とは?
  • 多くの企業がISDN利用者
  • 固定電話のIP化による企業への影響
  • 固定電話のIP化によるメリットとは?
  • 固定電話IP化への企業の対応策

固定電話のIP網への移行の概要とスケジュール

ご存じの通り、NTT東日本・NTT西日本が提供している、いわゆるアナログの固定電話網(加入電話・ISDNネット)は、2024年1月以降にIP化されることによって終了します。

その理由は、固定電話への契約数の減少により、電話サービスに用いられている公衆交換電話網の中継交換機・信号交換機を維持することが、2025年頃に限界を迎えるからです。

そういったことから、固定電話(加入電話・ISDNネット)は、2024年1月からIP網への切り替えが開始され、2025年に完了する見込みだとされています。

今後のスケジュールとしては、2022年1月頃から固定電話(加入電話・ISDNネット)を利用している方へ、提供条件や手続きなどに関するお知らせがNTTより複数回実施されるとのことこです。


固定電話のIP化とは?

固定電話のIP化とは、固定電話(加入電話・ISDNネット)で使用されている中継交換機を中継ルータに入れ替えることを言います。

「固定電話のIP化」とは言っても、NTT内部のみ行われることであるため、現状利用している電話機やFAXに関しては、そのまま継続利用することができます。しかし、それ以外の業務システムや業務端末には、固定電話のIP化によって大きな影響が出ることが予想されているのです。


多くの企業がISDN利用者

アナログの固定電話がIP化により廃止されるということは、ISDNも廃止されることになりますが、実は多くの企業がISDN利用者でありながら、それを認識していないケースが多いものです。

固定電話(ISDN)をデータ通信に利用している企業は多く、例えば、コンビニなどで利用されているPOSシステムやクレジットカード読み取り機(CAT)、銀行ATM、エレベータ管理、EDI(電子データ交換システム)などが挙げられます。


固定電話のIP化による企業への影響

固定電話(加入電話・ISDNネット)がIP化されることによる企業への影響には、さまざまなことがあります。

特に、上記で触れた「EDI(電子データ交換システム)」は、ISDN経由で利用している企業が多いため、固定電話のIP化によって大きな影響が出るでしょう。

主に企業間でのECサービスで利用されているEDIは、企業が発注や納品を行う際に紙の帳票や請求書を発行せずに利用できることから、データ管理や業務の効率化、経費削減を図ることができるのが大きなメリットと言えます。

しかし、2024年に固定電話(ISDN)がIP化することによって、処理速度が従来システムよりも4倍以上も低下するなど、パフォーマンス低下の可能性があるとも言われています。


ISDNが終了しても、メタルIP電話を利用してデータ通信を行うことは可能だとされていますが、メタル回線とIP網を仲介してデータ交換を行う際に時間がかかるため、業務用のシステムとして使い物にならなくなってしまうリスクがあるのです。

こういった、「2024年問題」を解決するのが、インターネットEDIです。インターネットEDIとは、文字通りインターネットを通信手段とする電子データ交換のことで、従来のEDIよりも導入や運用コストを削減し、取引を海外へ拡大できるといったメリットも生まれます。


固定電話のIP化によるメリットとは?

固定電話のIP化によって、電話料金が安くなる可能性があります。

アナログの固定電話網の通話料金は、長距離になるほど高くなる仕組みでしたが、IP化されると全国一律の料金(3分8.5円)となるため、電話料金が安くなる可能性があるのです。

しかしながら、ISDN回線を利用している企業の場合は、接続に必要なアダプターなどの機器のレンタルが必要となったりと、必要経費が増えてしまう可能性も十分あり、使い続けるほど利用料金が増えていってしまう可能性も十分にあります。


固定電話IP化への企業の対応策

企業にとって、固定電話のIP化によるメリットはほとんどなく、むしろIP化にすることへの対策が必要となります。


企業が取るべき対策①

固定電話のIP化に伴い、企業が取るべき対策の一つ目は、先ほどもご紹介しました「インターネットEDI」の活用です。

固定電話のIP化に伴い、NTT東日本・西日本からは、既存のIDSN対応端末を使用したメタルIP電話でのデータ通信が提示されていますが、通信速度やコスト、凡庸性などに課題があります。それに加えて、メタルIP電話は「つなぎのサービス」であることから、IP電話への移行が進めばいずれ廃止されることになるでしょう。


インターネットEDIへの移行には、自社だけでなく取引のある複数社との調整も必要となることから、かなりの時間と手間がかかります。スムーズに移行するためには、早急な対応が必要だというわけです。

インターネットEDIへの移行に向けて企業が確認するべき点は、次の3つです。

  1. NTT東日本・西日本との回線契約
  2. 利用している機器の確認
  3. 接続形態の洗い出し

NTT東日本・西日本との回線契約は、番号単位でのINS回線か、それとも加入電話やそれ以外であるかを確認します。

また、EDI回線に利用している機器を確認したり、取引先ごとの接続形態を洗い出したり、取引先の担当者との連絡がスムーズにできるように、連絡先を確認しておくことも大切です。

どのようなEDIの回線を使用しているのかを確認するには、ルータやパソコンなどが、DSU(デジタル・サービス・ユニット)やTA(ターミナル・アダプタ)のデジタルポートやシリアルポートに接続されているかをチェックしてみましょう。

また、NTT東日本・西日本型の請求書に「INS通信料」といった項目がある場合は、サービスの終了によってEDIの利用を継続できなくなる可能性があります。


企業が取るべき対策②

固定電話のIP化に伴い、企業が取るべき対策の二つ目は、これを機会に自社の業務フローや商材に合ったIP電話サービスへの乗り換え検討です。

IP電話とは、インターネット回線を利用して通話することがでいるサービスのことで、「050~」などの電話番号が割り当てられるタイプのものやLINEやSkypeなどのように電話番号が不要なタイプがあります。


IP電話の主なメリットとして挙げられるのは、インターネット回線を利用するため、電話回線の必要がないという点です。

そのため、導入のための工事も必要なく、インターネット回線があればどこでも利用できるということから、在宅勤務やリモートワークなどでも活躍します。


IP電話を利用する際には、外線電話を定められた内線番号へつないだり、各電話機を外線電話へつなぐなどの機能を持つ「PBX(Private Branch eXchanger)」と呼ばれる電話交換機の設置が必要となります。

とは言っても、LANと統合するIP-PBXや、クラウド上で電話交換を行うクラウドPBXであれば、電話交換機を設置する必要がないため、設置・運用コストを削減することができるのです。

例えば、弊社ピクポンが提供しているクラウドIP電話は、PBXが内包されたイメージのサービスですので、電話交換機を設置することなく、パソコンもしくはスマホがあれば手軽に使用することが可能です。

会話内容を自動で録音、テキスト化する機能があり、SFA・CRMなどと連携することで、業務の効率化を図ることも可能です。


まとめ

今回は、固定電話がIP化することによる企業への影響や対応策などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

IP化後でも電話機やFAXはこれまで通り使用できますが、ISDNネットを利用してデータ通信を利用するEDI(電子データ交換システム)をご利用中であれば、早急に対策する必要があります。

同時に、この機会に電話周りのツールを見直して、業務の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。