情報共有の必要性は認識しているけれど、最新のITツールはハードルが高い。
IT予算を新たに計上しなければならないし、教育のためのハードルもある。
既存の仕組みをうまく活用して、情報共有を行いたい。
こうした悩みを抱える会社様向けの記事です。
【Index】
・アナログな情報共有3つの方法
・情報共有のための運用の工夫例
・営業部門で求められる情報共有
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アナログな情報共有3つの方法
そもそもアナログとは?
アナログとはデジタルと対をなす概念です。
辞書でひくと、「連続的に変化する量で表される情報」と記されています。
正直、よく分かりませんよね。
我々が一般的に仕事で使う「アナログ」には2つの意味が込められています。
- 人間が行う泥臭い仕事
- 非効率的な仕事全般を指す
肯定的な意味と、否定的な意味の両面性があることがわかります。
情報共有の文脈では否定的な意味を持つ場面が多いですが、アナログであることが価値を発揮する場面もあります。
アナログな情報共有の定義
アナログな情報共有といっても、聞く人によってイメージする方法は様々でしょう。
対面での会議や、紙の報告書は、最も基本となるアナログな情報共有の手段です。
そこから、windows製品が登場し、現在ではCRM,SFAといった情報共有ツールが登場しています。
今回は、最も多くの方が経験済みであろう下記3つのツールについて、アナログな情報共有と定義付けて考えます。
- メール
- ファイル共有
- ワード、エクセル
情報共有のための運用の工夫
メール
・CC,BCCで社内に共有する
CC,BCCを利用して、社内に情報共有をしましょう。
特に社外に情報発信するときは、社内の関係者を宛先に含めておきたいところです。
CCは、「Carbon Copy(カーボンコピー)」の略称で、宛先(TO)以外に共有したい宛先に利用します。
部下が、CCに上司を含めて取引先とのやり取りを情報共有するなどが具体的な使い方です。
BCCは、「Blind Carbon Copy(ブラインド・カーボン・コピー)」で、上司が取引先に紹介していない部下に情報共有することができます。
・情報共有目的のアカウント作成
CCやBCCを毎回入力するのは不便な場合、情報共有を目的としたメールアドレスを作成するようにしましょう。
複数のメールアドレスと紐付けて設定をすることで、毎回CC,BCCを入力する手間を省けます。
1つの宛先に送信することで固定のメンバーに届くため、情報共有漏れを防ぐことができます。
・outlook予定表の権限設定
outlookの予定表は、他のユーザーからの閲覧に関する設定ができます。
「他のユーザーが詳細を確認可能」な設定を利用しましょう。
その理由は、「予定の詳細を非表示」とすると、同僚や上司から予定の詳細が見えなくなってしまうからです。
その時間に予定が入っていることは確認できますが、社外の予定なのか、個人の作業なのか判別できなくなります。
本人からは予定の詳細が確認できるため、気づきにくく不便な状態が放置されがちなため注意しましょう。
ファイル共有
・命名では検索を想定する
フォルダ、ファイル作成のさいには命名規約を必ず設けましょう。
例えば、部署>業務内容>日付という階層構造のフォルダがあった場合、
- 部署には、組織図から転記した部署名
- 業務内容は、業務分掌規程にあわせる
- 日付はyymmdd表記にする
といった命名規約を設けましょう。
こうしたルールを設けることにより、他のユーザーが情報を共有するさいに情報にたどり着きやすくなります。
検索によってたどり着くことができるためです。
・フォルダへのファイル保存
ファイルが単独で保存されてしまうことは避けてください。
ファイルは必ず、フォルダの中に保存するようにします。
ファイルの単独保存を一件許してしまうと、次々にファイルが作成され秩序がなくなってしまいます。
ワード、エクセル
ワード、エクセルにおける情報共有を行う場合は目的に合わせたルール化を行いましょう。
具体的には、以下の項目に決め事をつくります。
- フォントサイズ
- 数字の単位
- 行の高さ
- 配色
- 管理する項目
以前の外資系の投資銀行では、入社時にエクセルのルールを教え込まれていたそうです。
これによって、個人による資料のバラつきをなくすとともに、社員間での資料の共有速度が上がり、生産性の向上を実現しているそうです。
営業部門で求められる情報共有
ここまでは、メール、ワード・エクセル、ファイル共有による情報共有の方法を見てきました。
さらに、営業部門での活用事例について考えます。
顧客情報の情報共有
商談の成功率を上げるという目標に絞って考えてみます。
商談の成功率を上げるためには、アポ担当者と商談担当者の顧客情報共有が欠かせません。
アポ担当者はお客様からの問い合わせ情報に対して、資料の提供やニーズのヒアリングを行っており、お客様に関する多くの情報を持っています。
しかし、アポ担当者と商談の担当者が分かれている場合、情報共有が上手くいっていない場合も少なくありません。
「とりあえず、商談の数だけ供給してくれれば構わない。」
こんな姿勢でアポ担当者に丸投げしてはいませんか?
丸投げせずに、成約する可能性が高いお客様を一緒に見極めていく姿勢が必要です。
後の商談の質を上げるためには、お客様との最初の接点から動きを追っておくべきです。
そうすることで、お客様のニーズをより具体的につかめます。
ライバルはSFAやAIサマリー電話といった情報共有のツールを駆使しているかもしれません。提案で負けないためにも、アナログな対応でもしっかりポイントを押さえておく必要があります。
アナログな情報共有でできること
・メールの共有と件名の工夫
アポ担当はお客様と多くのやり取りを行うことでしょう。その全てを商談担当者とメールで共有しておきます。
ただし、商談担当者も全てのメールを確認することは難しいでしょう。
また、商談に至ることのなかった案件については、全件する必要はありません。
商談に至った案件のみ、後から抽出できるように件名に工夫をしておきましょう。
特別なカッコ(【】)でお客様名で囲うなどが一般的な工夫だと思います。
・顧客情報管理フォームの共有
エクセルで顧客情報管理のための、項目の整理をしておきましょう。
事前にアポ担当と商談担当で、お客様に聞き出す必須項目を整理しておくことで商談を有利に運ぶことにつながります。
例えば、以下のような項目は商談前に情報が整理されていれば、提案の質がグッと上がります。
(1)解決したい課題
(2)サービス利用を開始したい契約日
(3)意思決定に必要なプロセス
(4)社内のキーマン
(5)社内の意思決定者は誰か?
(6)予算は確保済みか?いくらか?
(7)意思決定の基準が存在するか?それは何か?
(8)定量的な効果測定の方法
(9)お客様の期待値はどの地点にあるか?
(10)失注する可能性があればどこか?
こちらは一般的に商談のキーポイントになるであろう項目をまとめたものです。
フォーマットを元にして情報を蓄積、分析することでより商談の成約率をより高めることもできます。
メールと顧客管理のフォーマットを例に説明しました。
情報共有とそのルール化はセットで運用することにお気づきいただけたと思います。
アナログな情報共有を行うということは、営業プロセスを考えることに等しいのです。
目的が明確であればアナログでも効果が出る
アナログな情報共有であっても、目的が明確であれば効果は出ます。
情報共有を目的化してしまうことなく、達成したい成果と情報共有をセットで考えましょう。
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