情報共有の重要性については理解できたけど、なかなか現場で浸透しない。
こうしたお悩みを抱える営業マネージャーさんは多いかと思います。
今回は、情報共有をしない心理について、代表的な3つの理由を挙げます。
そして、部下を3つのパターンに分けて深堀りしていきます。
情報共有改善のヒントに活用いただければ幸いです!
【Index】
- 情報共有しない3つの心理
- 社歴が浅い若手社員の場合
- やり手の中堅社員の場合
- ベテランの営業社員の場合
- ベテラン営業の意識が変わった事例
情報共有しない3つの心理
情報共有しない理由には以下の3つがあります。
(1)情報共有の必要性を理解していない
(2)情報共有に抵抗する理由がある
(3)情報共有を面倒に感じている
それぞれ、発生する場面や対処すべき方法が異なりますので、続いて具体例でみていきましょう。
社歴が浅い若手社員の場合
若手社員と情報共有について考える場合は次の2つの視点で考えましょう。
- 情報共有の必要性を理解していない
- 情報共有に抵抗する理由がある
そもそも必要性を感じていない
社会人歴が浅い社員の場合、仕事の仕方そのものが確立されていません。
情報共有に対する認識としても、メリットを理解していない、優先順位が認識されていない状況にあることが多くあります。
自分の仕事の状況を知ってもらうことは、アドバイスをもらったりフォローをしてもらう上で不可欠です。
情報共有に対して抵抗はない状態なので、メリットを伝え必要性を認識させましょう。
仕事のミスを上司に知られたくない
続いて、情報共有に抵抗がある場合の理由です。
仕事をする上で、若手がミスをすることは避けられません。失敗から教訓を得て成長していくものです。
こうしたミスを知られたくないという心理は誰にでもあるでしょう。
若手の場合、ミスの重要性についての判断が適切でなかったり、傷口を広げてしまう可能性もあります。
また、ミスに対して適切な対処法を教えてもらえないことは、若手の成長も妨げてしまいます。
とはいえ、自分から進んでミスを情報共有できる文化は一朝一夕にはできません。
日常からの信頼関係やルール作りで、こうした状況を招かないようにしましょう。
若手は情報共有に壁がない
若手社員は、情報化社会の中で生きてきたため情報共有に対する心理的壁はあまりありません。
情報共有に課題がある場合、多くの場合は会社の管理体制に問題があります。
若手の立場からすれば、情報共有はノウハウを得られるチャンスですし、成長を加速させます。
情報共有の必要性を説きつつ、うまく情報共有の担い手として活躍してもらいましょう。
やり手の中堅社員の場合
・情報共有を面倒に感じている
やり手の中堅社員の場合は、情報共有に抵抗感を持っている場合が挙げられます。
情報共有よりも仕事に集中したい
中堅の社員が抱えている思いは、「成果を上げたい」、「忙しい」という思いです。
仕事の方法を覚え、努力が成果に結びつくため、個人で成果を挙げるために仕事に集中したいのです。
「情報共有の会議には参加したくない!」
「他の仕事で忙しいから議事録だけ目を通しておきます!」
このような場面を経験したマネージャーも多いのではないでしょうか?
中堅社員の場合、仕事を優先したいという思いが情報共有を妨げる理由になっています。
つまり、情報共有そのものの必要性は理解しつつ、いまいちメリットを見いだせない。という状況です。
情報共有は面倒という問題
情報共有には確かにメリットもあります。
しかし、情報共有をするためにはコストも発生します。
営業部門で顕著な例で言えば、「議事録作成のコスト」、「CRMへの入力コスト」、「実績報告の会議のコスト」などです。
情報共有にはコストが発生するため、中堅社員が情報共有に積極的に向き合えないことは一理あるのです。
中堅社員を情報共有に巻き込むには?
情報共有コストが低くなる運用をこちらから提案することで、、中堅社員の協力を得られるでしょう。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
- SFA、CRM、CTIなどIT製品への投資を提案
- AIによる入力補助ツールを導入
- 会議時間を減らしデジタルで情報共有
中堅社員はきっかけを与えることができれば、仕組みをうまく活用して味方になってくれるはずです。
ベテラン営業社員の場合
・情報共有に抵抗する理由がある
ベテラン社員が情報共有に協力的でない場合、ノウハウを自分の中に留めたい気持ち、ノウハウは共有できないもの、という思いがあります。
ノウハウは共有できないもの
ベテラン営業の中には次のような持論を持っている方がいます。
- 仕事は長い下積みを経て身につけるものだ
- お客様と個人の信頼関係が重要だ
- 自分にしかできない仕事がある
これらの発想は、営業畑一筋で同じ会社で勤め上げてきた経験から導かれるものだと思います。
経験からしか得ることができないノウハウであり、情報共有はできないものという認識をされています。
ベテラン社員が持つノウハウは、確かに価値があるものです。
そのため、情報共有を諦めず後輩に伝えていく必要があります。
情報共有の術はある
ベテラン社員の方が、経験からノウハウを身につけたように情報共有できないノウハウはありません。
例えば、ベテラン社員の商談に同席して、その行動を観察すればノウハウは得られます。
職人が先輩の技術を盗む構図に似ていますね。
新型ウイルスの蔓延によって、リモート営業が一般的になり商談を情報共有することもができるようになりました。
さらに、商談記録を音声分析し、サマライズして記録に残す製品もすでに存在しています。
常識では難しいと考えられていた情報共有が、セールステックのツールによって現実に活用されています。
情報共有に対する技術の壁はすでに存在しません。
あとは心理的な壁をいかになくすかが問題です。
仕組みの中で伝えていく
ベテラン社員に情報共有に参画してもらうには、ルールを決めて参画してもらうことが有効です。
情報共有の運用を始めると、最初は情報を受け取る側にメリットがあります。
報告を受けるべきマネジメントであったり、知識の浅い若手がメリットを得ます。
その点、ベテラン社員はメリットはなくGIVEする側にまわらなければなりません。
しかし、運用して少し経過すると、若手からベテランに質問をする機会が出てきたり、コミュニケーションのきっかけになります。
ベテラン社員は若手の問題意識に目を向け、気付きを得ることもあるでしょう。
情報共有の文化が育つと、社員間のコミュニケーションが生まれ、信頼感が高まります。
こうのような文化を育むことができれば、ベテラン社員の情報共有に対する意識が変わってきます。
ベテラン社員を巻き込むためには、情報共有の文化を築き巻き込んでいくことです。
ベテラン営業の意識が変わった事例
会話サマリーAI電話の導入
会話サマリーAI電話は、架電による営業情報を自動で顧客情報として保存し情報共有します。
情報共有された情報は一次情報として残り、営業活動に有効活用ができます。
ベテラン営業社員Aさんは、セールストークに自信を持っていました。
しかし、会話サマリーAI電話を導入して分析をすると、さらなる改善点があることがわかりました。
お客様と営業の会話比率を分析すると、営業の会話比率が多く、もっとお客様へのヒアリングを重視すべきという結果が出ました。
また、Aさんの会話内容をAIによってサマリーした結果、成約に至るキラーフレーズやその流れを社内で共有することができました。
情報共有の手段にツールを用いたことで、2つのメリットが生まれました。
- ベテラン営業のノウハウの継承
- ベテラン営業のさらなる進化
営業手法の違いについて、主観で議論をすると空中戦になりがちですが、録音した音声という事実に基づいて検証すると、効果が出るのは興味深いですね!
情報共有をしない心理について、立場の違いを踏まえて考察しました。
まずはきっかけをつくり働きかけをしない限り、情報共有は進みません。
情報をデジタル化することは、情報共有と相性がいいのでツールをうまく使いこなしつつ情報共有を盛り上げましょう!
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