営業部のDX化を急ぎ検討してほしい!
DX化するためにはシステム導入と、そのための決裁を得る必要がありますよね。
しかし、システム導入のための稟議書を作成したことがある人は、営業部だと少数派なのではないでしょうか?
営業部の立場からすると、情報システムや経理が稟議書の何をチェックしているのかは謎です。
稟議書を書こうと思ったけど手が止まってしまっている。
そんな方のために、稟議書の書き方ポイント5つと、管理部門に向けたポイント+2を整理しました。
【Index】
- 稟議書の書き方5つのポイント+2
- そもそも稟議書とは
- 稟議をスムーズにするためにすること
- 稟議書を楽に作成する方法
- まとめ
稟議書の書き方5つのポイント+2
稟議書を書く時に押さえておくべきは次の5つです。
いきなり稟議書を書くのではなく、まずは箇条書きにしたポイントに対して、回答を書き出していくのがおすすめです。
ノートにペンで実際に書き出してみると頭が整理されますよ。
- タイトルはわかりやすく
- 申請目的を明確にする
- 期待できる効果を書く
- 効果測定の方法を示す
- 懸念事項についても触れる
+2(情報システム、経理向けのポイント)
- クラウドサービスであることを強調
- 勘定科目について明記する
タイトルはわかりやすく
稟議書にはタイトル欄があります。
後から読み返す機会もあるので分かりやすいタイトルにしましょう。
具体例を挙げると、
「顧客管理システム◯◯の導入について」
といった具合に、機能、サービス名が含まれていると具体的でよいですね。
申請目的を明確にする
システム導入を希望する背景について説明が必要になります。
これまでシステム導入の検討で行ってきた経緯を思い返してみてください。
営業部で課題になっていることがあり、解決手段としてシステム導入が有効と考えたはずです。
さらに複数のシステムの中から、システム選定に至った決め手の理由があったはずです。
システム導入における稟議書では、決裁者に加えて、情報システム、経理など仕事で頻繁にコミュニケーションをとらない相手の目にも触れることになります。そのため、論点を整理してシンプルに提示することが求められるのです。
申請目的に共感してもらえる書き方ができれば、つかみはOKです。
期待できる効果を書く
システム導入が課題の解決につながることを示したいです。
そのために、申請目的と対応させる形で期待できる効果を盛り込みましょう。
・多くの人の目に触れたときに理解できる表現になっているか?
・理屈として筋が通っているか?
を確認しましょう。
効果測定の方法を示す
システム導入では費用対効果について説明を求められることが多くあります。
導入のビフォー・アフターで何が変わるのか提示することで、稟議書に説得力をもたせることができます。
効果測定には次の2つのパターンが考えられます。
- 攻め(売上の増加につながる)
- 守り(コストの抑制につながる)
近年営業の現場に取り入れられることが多いSFAは攻めのシステム導入ですね。
日本のシステム導入例では、業務効率化のための守りのケースが多かったですが、セールステックのツールの登場によって攻めのシステム導入の考え方も一般的になってきています。
事前に効果測定の指標を決めることで、決裁者にとっての安心感につながります。
後々、システム導入が妥当だったのかチェックを行うことができるからです。
懸念事項についても触れる
システム導入のときに事前に考えておきたい事項は以下の2つです。
- システム導入を行わないことで発生するリスク
- システム運用で新たに生じるリスク
懸念事項について触れておくべき理由は、決裁者に必要な情報を提示して判断を受けるためです。
決裁者は誤った意思決定を行わないために、それぞれの選択肢のリスクを把握したうえで判断をしたいと思っています。
クラウドサービスであることを強調
情報システム部門への対策として、クラウドサービスをアピールすることは効果があります。
従来の日本のシステム導入では、ライセンス買取型のサービスが多く、保守管理の手間が発生していました。
保守管理には、会社の情報システム部が登場するため、いろいろと注文をつけられた結果導入に至ることができないケースがありました。
クラウド型のサービスであれば、保守管理はサービス提供元に任せることができ、営業部独自でのシステム導入もしやすくなります。
部門で独自管理することを強調すれば、情報システムから意見が付くことを減らせるでしょう。
勘定科目について明示する
経理への対策として勘定科目を明示しておきましょう。
システム導入と聞くと、経理は資産性の有無について確認をしてきます。
それは、損益の把握のために必要な情報であり、税金の申告にも関連してくるためです。
情報システム部門や経理の関心事を事前につぶしておくことで、管理部門所管の役員や決裁者にとっても分かりやすい稟議書になります。
ポイントを押さえて稟議書の書き方の参考にしてみてください。
そもそも稟議書とは
稟議書の目的
稟議書とは稟議をするための書類のことです。
最近では、ワークフローによって稟議書が電子化されているケースもよくみかけます。
通常であれば、会議によって意思決定を行うところ、書面やワークフローで意思決定を行うことができるため業務を効率化するメリットがあります。
日本独特の商習慣
稟議書の特徴として、関係部署の押印欄が多くある点が挙げられます。
海外では上長の決裁を必要とする場面は存在しますが、他部署の承認を必要とするケースは一般的ではありません。
日本の稟議書を書くときには、関係部署の事情を考慮した網羅性のある書類作成が求められます。
稟議をスムーズにするためにすること
サービスの利用範囲を明確にする
システムの導入においては、承認を受けるサービスの範囲を明確にしておく必要があります。
システム導入のための要件定義の支出なのか、システムの利用開始なのか念の為確認をしておきましょう。
プロジェクト型でシステム導入を行う場合は、安全性を考慮してフェーズごとに契約を分離するように指示される場合もあります。
稟議書の回覧段階で、ダメ出しされないように事前に検討しておきましょう。
文章が長くならないようにする
短く分かりやすい文章を書くことは重要です。
システム導入においては、検討にも時間がかかり多くの情報を抱えた状態になります。
そのため、伝えたい情報量が多くなりがちです。
しかし、稟議書の読み手からすると情報量が多いと、ポイントがわかりにくくなってしまいます。
稟議書が完成したら、
- 文章がギチギチに詰まっていないか?
- 適度な余白があるか?
- 箇条書き等でポイントが整理されているか?
の点について確認しましょう。
懸念事項についてはつぶしておく
稟議書に盛り込むべき項目としても登場した懸念事項。
システム導入で懸念される事項に関して、どのようにケアを行うか明示しておきます。
よくある懸念事項としては、セキュリティリスクがあります。
サービスを提供する業者が、セキュリティに関する認証を取得している場合は明記することで決裁者を安心させましょう。
決裁者の目線で書く
決裁者の気持ちになって書類を作成することで承認をスムーズに得ることができます。
仕事で大事にしてきた点は、それぞれ決裁者の仕事歴によって異なると思います。
例えば、過去にQCDが口癖の社長がいました。
3つの(Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期))軸をメインに思考をする癖がある人だったので、 稟議書の記載項目は3つの軸を盛り込むことでスムーズに話が進みました。
根回し
稟議書を作成している段階で、他部署の意見も取り入れられるのであれば話が早いです。
事前に情報が入ってくることに関して、嫌な感情を抱く人はいません。
逆に、必要な情報が事後報告になってしまうと不信感を抱く人は多いものです。
稟議書をスムーズに進めるために、事前のコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
稟議書を楽に作成する方法
稟議書の書き方について自力で作成するためのポイント整理を行ってきました。
最後に、人に頼って稟議書を作成する方法について解説したいと思います。
サービスの提供元に力を借りる
利用したいサービスが決まっているならば、サービスの提供元に稟議書の作成を助言してもらうのもありです。
実はこれが一番効率よく、完成度の高い稟議書を完成させる方法かもしれません。
稟議書のコツを一番知っているのは誰?
システムを提供している会社には、お客様の課題解決のノウハウが豊富にあります。
あなたの会社の課題と解決へのストーリー、効果測定の指標まで必要な材料はすべて揃っているケースも多いんです。
過去にこんな経験がありました。
システム会社の人が作成したひな形をもとに、システム導入の稟議書を完成させました。
すると、他の先輩社員が書いた別件の稟議書よりも出来が良いと褒められ、スムーズに社内手続きが進みました。
お願いすれば喜んで力を貸してくれるはず!
稟議書を書く経験が初めての場合、サンプルとなる文面を入手するのもよいでしょう。
また、作成した稟議書を客観的に添削してもらうという手段もあります。
システムを提供している会社の営業からしても、お客様の導入に関する相談は歓迎されますよ。
まとめ
稟議書の書き方のポイントをシステム導入のケースに当てはめて整理しました。
システム導入は選定から承認まで多くの労力が必要になる仕事です。
ときには人の力を借りながら?賢く仕事をしていきましょう!
0コメント