インサイドセールスの仕事を語る上で、KPIの考え方は必須です。
今回は、インサイドセールスKPI設定の基礎となる3つのポイントについて考えます。
インサイドセールスの目的を整理する
どういった目的設定を行うかで、KPI設定は当然大きく変わります。
まずは、一般的にインサイドセールスに期待される役割について考えてみます。
フィールドセールスよりも成果を上げる
インサイドセールスは、インバウンド形式並びにテクノロジー活用のため、フィールドセールスよりも効率的に成果を上げることができるとされます。
そのため、従来からの営業手法を、新しい営業手法にシフトチェンジしたい場合に設置されるケースが多いでしょう。
そのときに重要視されることは、フィールドセールスと比較したときに、より成果を上げられることです。
より少ない人数、工数で成果を上げることがKPIとなります。
経験と勘に頼らない営業をする
インサイドセールスはデジタルを駆使した営業手法であるため、結果が数値で残り、会社の営業活動を透明化、見える化するために大きな意味があります。
旧来の営業手法は、営業マン個人の経験と勘頼りとなり、会社にノウハウがなかなか蓄積されない。なんて課題がしばしば発生していました。
ここ最近では、インサイドセールスを設置し、顧客情報を管理する姿勢を明確に打ち出す会社が増えています。
情報の共有が進めば、社員の営業レベルの標準化にもつながり、会社としての底上げが期待できます。
インサイドセールスKPI設定3つのポイント
インサイドセールスの問題意識を設定できたら、具体的なKPI設定を行います。
ここでは、KPI設定の前提となる3つのポイントについて整理しました。
明確なKPI根拠があること
KPIは数字で設定する必要があります。
また、KPIはシンプルな概念で、説明責任を果たせるものでなくてはなりません。
KPIが複数の指標に基づいて算出される数値の場合、算出根拠が明確である必要があります。
客観的に測定できるKPIであること
KPIは多くの人が共通言語として使用します。
そのため、誰が集計しても同じ結果になるような客観性が必要です。
客観性を維持させるためには、あまり複雑な計算ルールを設けることは適切ではありません。
数値の透明性は高ければ高いほど、実際に使用される機会も増えるでしょう。
情報共有が容易であること
情報共有が容易な仕組みがあることもKPIを運用するために重要な視点です。
KPIを確認できるシステムや資料がリアルタイムで確認できる。
少なくとも、数値に責任を持っているメンバーはリアルタイムで数値を確認できる必要があります。
細かな点でいえば、共有のアクセス権限設定であったり、わかりやすいUIで資料が確認できることも重要な要素になります。
システムですぐに集計できるとベスト
KPI運用の効率化のためにシステムを使用することは、非常におすすめです。
セールステックのツール(MA、SFA,CRM)を使用してKPI管理をすることは有効です。
なぜなら、KPIをスピーディに把握でき、意思決定にも役立つため。
システム投資の予算がない場合でも、セールステックツールの着眼点や仕組みを学ぶことは意味があります。
システム設計の考え方を生かして、自社のKPI資料を作成することでよりシンプルな設計が可能になるでしょう。
おすすめなKPI管理の方法
KPI管理のおすすめな方法について深堀りしていきます。
セールステックのツールを利用する
セールステックのツールを利用するメリットについて紹介します。
セールステックのシステムには、営業KPIが基本の仕様として盛り込まれています。
そのため、多くの企業で実践されてきた最適解としてのKPIマネジメントを、自社でも容易に実践できるようになります。
まずは、セールステックのツールの基本設定に従って運用をするのがおすすめです。
運用に慣れてきたら、より高度な分析にチャレンジすることを考えるようにしましょう。
運用期間が長いほど会社に情報が蓄積され、情報の持つ強みが出てきます。
システム投資が難しい場合
次にシステム投資が難しい場合のKPIの運用管理について解説します。
大切なのは、KPI設定のロジックと管理方法が確立されることです。
ポイントを押さえることができていれば、表計算ソフトでも運用を行うことは可能です。
ただし、表計算ソフトでの管理は一般的に煩雑になるので、設計は極めてシンプルにしてください。
集計可能なようにデータベース化する
表計算ソフトを使ってKPI管理をする際、データベース形式でデータを持つ方法を紹介します。
管理する項目を設計したら、情報を蓄積するときはデータベース形式で行ってください。
ピボット機能を使えば、集計が容易にできますし、切り口を粗く、細かくすることも可能です。
無料ツールであっても、同じ1つのデータから、様々な分析をすることができます。
ただし、セールステックのシステム製品に比べると、管理の工数はどうしても増えてしまうでしょう。
KPI設定の具体例
具体的なKPIの数値について事例を紹介します。
オウンドメディアのコンバージョン
集客やブランド力の維持のためにWEBメディアを持つ会社は多いです。
この場合のKPIはコンテンツをいかに読んでもらって、問い合わせにつなげるかです。
問い合わせにつながった比率はCVR(Conversion Rate)という指標で管理されます。
算出するための方法は、PV数に対する目的のページ(問い合わせページ)の問い合わせ数で算出します。
成果を上げるための手段としては、コンテンツの改善や、文言の修正を行います。
メールマガジンでのリンククリック・コンバージョン
配信したメールマガジンでもKPI管理ができます。
メールマガジンの開封率、設置したリンクのクリック率で実績を把握することができます。
また、リンクにリファラーを設置することで、メールマガジン経由でどのくらい問い合わせが起きているかを計測可能です。
オンラインセミナー後の問い合わせ
オンラインセミナーの集客数に対する事後問い合わせ件数で実績を管理します。
こうしたそれぞれの施策のKPIを積み上げて、インサイドセールスのKPIをつくります。
いずれのKPIも、根拠が明確でわかりやすいものですね。
仕事の基本はPDCAですので、インサイドセールスのKPI管理には、仕事の基礎がつまっているといえるかもしれません。
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